デザイン良し、性能良し
Contessa Ⅱ[コンテッサ セコンダ]はすべてのデスクワーカーにお勧めするオフィスチェア(ワークチェア)だ。
コロナウィルスの影響で在宅ワークが増えたので去年の6月頃に岡村製作所の最上級オフィスチェア「コンテッサセコンダ」を購入した。
コロナ禍に突入してから帰省もしていないし出張もしていない。つまり1年間毎日座り続けている。
1年間座り続けて良い部分や悪い部分が色々わかってきたので紹介していきたいと思う。
コンテッサセコンダとは
2002年に発表されたokamuraの最上位ワークチェアContessaの後継機
美しいフレームラインの初代Contessaの独創的なフォルムを守りながら、機能と強度を大幅にアップグレードされたセカンドモデルだ。
様々な姿勢に応える優れたフィット感とカスタムの幅広さだけでなく、手元でほとんどの操作を完結できるスマートオペレーションは本当に便利だ。
また、この美しいデザインはイタリア・トリノに本社をおく世界的屈指のデザインファームであるインダストリアルデザインの名門“ITALDESIGN”とオカムラとの共創から生まれた。
僕はこのデザインに惹かれて買ったと言っても過言ではない。
なぜコンテッサセコンダにしたのか
・デザインが美しい
・ワークチェアに必要な機能が全て搭載されている
・スマートオペレーションがとにかく便利
・座り心地が自分に合っていた
・デザインが美しい
背面の美しいデザインをよく見てほしい。
日本国内のインダストリアルデザインでは中々見られない流麗で美しいデザインだ。
オカムラは日本の企業だが、この椅子のデザインを手掛けているのはジョルジェット・ジウジアーロというイタリアの超有名なインダストリアルデザイナーだ。
ジウジアーロでとくに有名なデザインというとやはりバック・トゥ・ザ・フューチャーに登場する「デロリアン」だろう。
このジウジアーロこそがイタルデザインの設立者なのだ。
アルミフレームの絶妙な曲線はさすがジウジアーロと言える天才的なラインだ。
流れるような曲線や曲面は美しさと違和感が紙一重で非常にデザインするのが難しい。
これほど美しく、しかもアルミのダイキャストという贅沢な工業製品は中々お目にかかれない物だと思う。
また、コンテッサセコンダは外観にビスなどの留め具、所謂「見えてほしくない部品」が外観に出てきておらずスマートだ。
僕は日本のメーカーで工業デザイナーとして働いているのでよくわかるのだが、日本の製品はビスを平気で外に見せる。
ビスを見えない位置に配置させても、組み立てやすさや修理のしやすさ、コストを優先されてしまうことが多々あるのだ。日本はイタリアに比べて美意識が低すぎるのが現状だ。
下の2枚を見比べてみてほしい。
同じ高級ワークチェアに分類されるエルゴヒューマンPROとの比較だ。
わかりやすい例があったので今回は比較しているが、エルゴヒューマンPROも人間工学に基づいた非常に座り心地の良い椅子だ。
小さくて見えないかもしれないが、エルゴヒューマンPROは背もたれの樹脂の部分に多くのビスが見えているのに対して、コンテッサは見事に1本も外観に現れていないボルトレスデザインだ。
それに加え、椅子を支えるフレームやアームレストといった機能部品ですら美しいデザインに仕上げている。
おそらくこれはイタルデザインの徹底されたデザインによるものなのだと思う。
細かい部分だが、このような積み重ねが素晴らしいデザインにつながる。
・オフィスチェアに必要な機能が全て搭載されている
オフィスチェアは価格帯によって搭載されている機能が違う。
座面の昇降とリクライニングは大体のチェアに搭載されているが、安価なモデルだとリクライニングはできるが固定はできなかったりアームレストは固定式だったりする。
しかし、コンテッサには以下のようなあらゆる機能が搭載されている。
- 座面位置の上下調節
- リクライニング固定
- リクライニングの強弱調整
- 座面の前後スライド調整
- アームレスト高さ調整
- アームパッド角度調整
- アームパッド左右調整
- ランバーサポートの調節
- ヘッドレストの角度調節(小型ヘッドレストのみ)
コンテッサに無い物と言えばオットマン(足置き)くらいだろうか。
アームパッド一つにしても左右上下、回転と調整の幅が非常に広い。
・スマートオペレーションがとにかく便利
コンテッサは上で紹介した機能のほとんどが手元で操作できる。これが非常に便利だ。
最高級オフィスチェアであるハーマンミラーのアーロンチェアですら座面の下での操作がメインだ。
これに慣れてしまうともう戻れない。それくらい楽に操作できる。
スマートオペレーションでは以下の操作が可能だ。
- 座面位置の上下調節
- リクライニング固定
- アームレスト高さ調整
- アームパッド角度調整
・座り心地が自分に合っていた
これに関してはフィーリングだが、いくつか試座してみて座り心地が良かった。
というのも、アームレストや座面の位置はかなり柔軟にカスタムできるからだと思う。
座り心地に関しては人それぞれなので必ず試座することをお勧めしたい。
1年使った感想
「とてもいい座り心地で快適」というよりかは「全然疲れない」
個人的な感覚だが「とてもいい座り心地で快適」というよりかは、一日中座って仕事をしていて終わった時に「あれ、そういえば全然疲れていない!」と感じる。
それまでのは、腰がつらくて背伸びをしたり寝転んだりしていたのだが、そういったことが一切なくなった。
正しい姿勢だと疲れも少ないのだろう。
そして、椅子を使うにあたってよく言われるのは座面のヘタレだろう。
コンテッサセコンダには「異硬度クッション」という、前方と後方で硬さの違うクッションが採用されている。
前方太腿側は圧の掛からないやわらかめ、真ん中はやや硬め、そして臀部を支えるお尻まわりは硬めのウレタンで構成されている。
これにより絶妙な座り心地となっているのだ。

毎日座って毛玉がついてきた
参考:okamura
このクッション、性能がいいだけでなくオカムラが自信を持ってアピールするだけあって今のところ全くヘタレる様子はない。
劣化した部分と言えば、表の生地の太ももあたりに毛玉が発生してきたことぐらいだろうか。
この椅子の「良いところ」「悪いところ」
良いところ
・スマートオペレーションがとても快適
・美しいデザイン
・いろんな座り方に対応できる
スマートオペレーションに慣れてしまうと他の椅子には戻れない。
さっと操作できるので集中力も途切れないしノンストレスだ。
座面も広めなのであぐらもかけるし、気づけば一日中この椅子に座っている。
デザインは言わずもがなだ。
他の椅子と比べて見てみてほしい。
悪いところ
・背面の埃の掃除が面倒
・ヘッドレストの形状的に長時間リラックスはできない
・重い
・背面の埃の掃除が面倒

撮影用に長期間放置したらこんな感じになった。汚すぎる
これはメッシュの宿命なのだが、座っていると服がメッシュにこすられて大根おろしのように裏面に大量のホコリが溜まっていく。
定期的にホコリ取りやウェットティッシュでの掃除が必要だ。
ただ、これに関してはおそらくアーロンチェアなどの背もたれがメッシュの椅子ならこうなってしまうのだろう。
ホコリ取りで大半は取れる
仕上げにウェットティッシュでばっちりだ
簡単な掃除でとてもきれいになる
座面下は複雑に入り組んでいる
僕は座面はクッションにしているのだが、メッシュ座面にカスタムすることもできる。
しかし、メッシュということは同じく埃がたまることは容易に想像できる。
座面の下は掃除が非常に面倒なので、座面をメッシュにするときは注意が必要だ。
・ヘッドレストの形状的に長時間リラックスはできない
オフィスチェアは飽くまでデスクワークに特化した形状だ。
なので、リビングチェアのようにゆったり長時間くつろぐのには向いていない。

小型ヘッドレストはデザインが微妙すぎる
大型ヘッドレストは正しい姿勢になるように首を支える形状をしている。
頭を包み込む形状ではないのでリクライニングを倒して長時間頭を預けていると逆に疲れてくる。
可動式の小型ヘッドレストもあるのだが、これはデザインが好みではない。これならヘッドレスト無しの方がいい。
参考:okamura
リラックスも作業も一つの椅子でしたいという方は注意が必要だ。
その場合はワーク性能は少し落ちるがゲーミングチェアなどの方がいいのかもしれない。
・重い
本体重量は30kgだ。
これはアルミの塊がふんだんに使われている以上仕方ないのだが、引っ越しの時に苦労した。
納品の時も大人二人で運搬していたので、一人で持つのは困難だ。
しかし、それは安定感とのトレードオフなので頻繁に持ち上げる必要のない人は心配いらないだろう。
この重さのおかげでリクライニングを倒し切ってもとても安定している。
まとめ
かなり高額な買い物だったが、もう元はとれたのではないかと思うほど愛用している。
一日中動き回る方には少し高い買い物かもしれないが、デスクワークがメインの方や在宅で椅子に座る時間が増えた方には全力でお勧めしたい。
買えば必ずQOLがあがるだろう。
椅子と寝具にはお金をかけた方が良いというのは本当のようだ。