PS5で使うサウンドデバイスを検討していたのですが、結果的にゲーミングイヤホンのINZONE Budsを購入しました。
ゲーミングと謳われているだけあって期待大
INZONE Budsにした理由や、使い方、メリット・デメリットなどを詳しく紹介していきましょう。
最大24時間の化け物級バッテリーでずっと遊べる
ゲームに特化した立体音響による高い空間把握
安定した接続性
30ms未満の低遅延
カスタムがWindowsでしかできなくて不便
音楽視聴性能はごく普通
対応コーデックが少なく、ほとんどのスマホで使えない
NCのON/OFFの効果音がわかりづらすぎる
INZONE Budsとは?
型式 | 密閉, ダイナミック |
ドライバーユニット | 8.4mm |
防滴・防水 | IPX4相当 |
質量(G) | 約6.5g×2 |
ワイヤレス接続方式 | 2.4GHz無線接続 |
電池持続時間(USBトランシーバー接続) | 最大12時間(NC OFF)/最大11時間(NC ON) |
電池持続時間(LE Audio接続) | 最大24時間(NC OFF)/最大18時間(NC ON) |
LE Audio対応コーデック | LC3 |
定価(ソニーストア価格) | 29,700 円 (税込) |
SONYのゲーミングギアに特化したブランド『INZONE(インゾーン)』初のワイヤレスイヤホン
プロeスポーツチーム「Fnatic」監修の元開発されており、よりゲームに特化したギアとなっています。
ドライバーユニットはWF-1000XM5の『ダイナミックドライバーX』を採用
ドライバーユニットはまさかの『ダイナミックドライバーX』
WF-1000XM5に使われている最新のドライバーです。
高音質なだけでなく微細な音の再現性にも優れているのでゲームにも最適です。
360 Spatial Sound for Gamingによる立体音響
ゲーム向けに最適化された立体音響バーチャライザー『360 Spatial Sound for Gaming』でゲーム空間に入り込んだかのような効果をもたらします。
FPSではプレイヤーの位置の把握が重要なのでこれは気になる機能です。
実際にどれほど効果があるのかも試していきましょう。
イヤホン本体のみで最大24時間の化け物級バッテリー
電池持続時間(USBトランシーバー接続) | 最大12時間(NC OFF)/最大11時間(NC ON) |
電池持続時間(LE Audio接続) | 最大24時間(NC OFF)/最大18時間(NC ON) |
このサイズのイヤホンで24時間は本物の化け物です。
恐らく消費電力の少ない最新規格『LE Audio』のおかげ
電力効率は革命的だと言えると思います。
PS5で使う時のトランシーバー接続でも12時間なので、それでも十分すぎるスペック。
INZONE Budsを開封&デザイン
デザインはWF-1000XM3に似ています。
白色はコントラストが強烈なので普段使いだと少し悪目立ちしそうではありますね。
イヤーピースはまさかのかなりの旧式
この価格帯で採用されたのはXBA-N3辺りが最後なのではないでしょうか。
可もなく不可もない装着感ですが、最近のウレタンイヤーチップは圧入感があるので意外と効果的な選択肢かもしれません。
とは言えもっと新しい物にしてほしかった感はあります。
ケースは最近では当たり前となったリサイクル素材から作られています。
PS5に採用されている白色とは色味が異なるので少し残念
統一感がありそうで無い。
レシーバーは変哲の無いデザイン
『PS5/MOBILE』『PC』のスライダーがありますが、なぜか『PC』にした状態でもPS5に繋がりました。
悩んだ結果、INZONE Budsにした4つの理由
以前に『PS5に最適なのはイヤホンかヘッドホンか考える』という記事を書いたのですが、結果的にはイヤホンのINZONE Budsにしました。
その理由を4つ説明していきます。
イヤホン単体で12時間の大容量バッテリー
INZONE Budsはイヤホンの最大の弱点であるバッテリーライフの弱点を克服しています。
イヤホン単体で12時間(NC ONでも11時間)なので、ほぼすべての人にとって満足のいく持続時間だと思います。
「電池切れが怖いからヘッドホンにしていた」という人にもINZONE Budsは魅力的な選択肢です。
30ms未満のゲームに特化した低遅延
INZONE Budsは2.4GHzワイヤレス接続に対応しています。
公称値では遅延は約30ms(0.03秒)未満とされており、低遅延で有名なaptX LLコーデックの約40msよりもさらに低遅延
2.4GHzワイヤレス接続なので低遅延なのも頷けますが、ここには期待できそうです。
接続方式 | 遅延量 |
2.4GHzワイヤレス | 30ms |
SBC | 200ms |
AAC | 120ms |
aptX | 70ms |
aptX LL(Low Latency) | 40ms |
LDAC | 1000ms(約1秒) |
※遅延量はおおよその数値です
コンパクトで置き場に困らない
そしてコンパクトさ
これはどのイヤホンにも言えることですが、ヘッドホンと違って場所を取りません。
デスク上にはできるだけ物を置きたくないのでサイズは重要です。
かといっていちいち片付けるのも面倒ですよね。
長時間プレイでも疲れにくい
長時間ゲームをする人にとって疲れにくさは一番重要かもしれません。
ヘッドホンは数時間も装着していると側圧でどうしても頭が痛くなってきます。
INZONE H5などは約260gと非常に軽量ですが、それでも側圧はゼロではありません。
頭が痛くなりやすい人はイヤホン一択でしょう。
私はかつてヘッドホンを使っていましたが、かなり疲れるので今回はイヤホンにしました。
INZONE Budsの音質やノイキャン性能などの率直な感想
ゲーム音質は非常に良く、細かな空気感も伝わる
スピーカーでは聴こえない環境音など、低音から高音域まで良く再現されていると感じました。
立体感もあり、ゲーミングイヤホンとしてかなり満足度は高いです。
FPSのような競技性の高いゲーム以外でも体験の質が上がります。
音楽視聴の音質はフラットであまり良くない
一方で音楽視聴としての音質は最近のイヤホンにしてはかなり見劣りします。
相当フラットで高音が刺さる印象でした。
アプリのイコライザーを使うことで多少は調整可能ですが、それでもWF-1000XM5などと比べると雲泥の差
飽くまでゲーミングイヤホンとしての運用がメインで、音楽視聴も考えている方は期待は禁物です。
マイク音質は特別良くはないけど許容範囲
マイク音質は特別良いというわけではありませんがマルチプレイゲームをする分には十分な音質です。
イヤホンなので少し間に空気を挟んだようなこもり気味の音質ではありますが、遠くに聴こえるようなことはなく全く問題ありません。
PCでも試してみましたが、私の使用しているロジクールBrioと比べても謙遜の無い音質でした。
INZONE BudsはWEB会議などでも便利に使えそうです。
ノイズキャンセリングは意外と効くけどゲーム体験が微妙になる
ノイズキャンセリングはWF-1000XM5ほど強力ではありませんが意外と効きます。
特に低音の消音効果はかなり高いと感じました。
一方で高音域は結構残り、隣で音楽をそれなりの音量で流すと高音部分だけシャカシャカと聞こえてきます。
ですがノイズキャンセリングONにすると水中にいるようなこもった感じになるので、長時間プレイはきついです。
特にボイスチャットの時は顕著で、閉塞感のせいかゲーム音とボイスのメリハリが少なく感じました。
INZONE Budsの使い方やカスタム方法を紹介
INZONE Budsは従来のBluetoothイヤホンとは使い方が少し違います。
簡単に紹介していきましょう。
PS5での使い方
付属のトランシーバーをUSB-Cポートに繋ぐだけで簡単にペアリング可能
トランシーバーを接続したら自動的に繋がります。
ただでさえ少ないポートが1つ埋まってしまうのは残念ですが、仕方がありませんね。
カスタムの方法はさらに下で紹介します。
スマホやPCでの使い方
Bluetooth対応と書かれているのでスマホでも使えるのでは・・と思いますが、残念ながらBluetooth接続できるスマホはそう多くありません。
対応コーデックがLC3ということで、LE Audio対応機器にしか接続できません。
iPhoneはもちろん、最近のXperia以外はほぼすべて接続できないので注意が必要です。
USB-C対応機器ならトランシーバーを繋ぐことで視聴可能ですが、そこまでするメリットはほとんどないでしょう。
ポイント
Xperia 1 IV/Xperia 1 V/Xperia 5 IV/Xperia 5 V
Windows PCソフトウェア「INZONE Hub」からカスタム可能
INZONE Budsのカスタムは『INZONE Hub』というWindowsのPCソフトウェアで行います。
接続してアプリを開くだけで簡単にカスタム可能です。
ですが、PS5で使っている人はカスタムするためにわざわざPCに繋がないといけないのでかなり不便
せめてアプリに対応してほしいところですが、コーデックがLC3のみなので望みは薄そうです。
INZONE Hubって必要?Macだけど使わなくても問題ない?INZONE Hubについて詳しく解説
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イコライザーは勿論、チャット音量のバランスや立体音響の個人最適化までカスタム可能です。
タッチセンサーを使用した機能設定は細かく設定が可能
操作一つでマイクとゲームの音量を調整できるのはかなり便利ですね。
INZONE Hubについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
INZONE Budsのイマイチなところ
音楽視聴はほぼおまけ。両立には期待しない方が良い
INZONE BudsはLC3コーデックにしか対応しておらず、対応機器が非常に少ない(ほぼ無いに等しい)です。
また音楽視聴イヤホンとしての性能は月並みなので、スマホでも使おうとしているのであればクオリティに期待は禁物。
WF-1000XM5と同じドライバーを使っていますが、音質の差は明らかでした。
ですが、ゲーム用として購入した私のようなユーザーにとっては欠点にはならないでしょう。
ポイント
Xperia 1 IV/Xperia 1 V/Xperia 5 IV/Xperia 5 V
カスタムがPCアプリのみはかなり不便。しかもWindows限定
Macユーザーは基本的にはカスタム不可という不親切仕様
操作方法や音の調節などができないのは不便ですね。
特に、操作方法は色々カスタムできるだけあってなおさら残念
PS5で使いたいのにPS5で音を聞きながら調節ができないので面倒です。
ノイズキャンセリングのON/OFFが効果音のみなのが本当に不便
WF-1000XM5から、ノイズキャンセリングのON/OFFが「ポーン」や「ポローン」という効果音のみになりました。
これはINZONE Budsでも採用されており、ゲームに集中してるとノイズキャンセリングなのかどうかが全く分からないので本当に不便です。
まとめ:INZONE Budsは改善の余地はあるが、電池持ちの良さと低遅延を両立した現状の答えの一つ
最大24時間の化け物級バッテリーでずっと遊べる
ゲームに特化した立体音響による高い空間把握
安定した接続性
30ms未満の低遅延
カスタムがWindowsでしかできなくて不便
音楽視聴性能はごく普通
対応コーデックが少なく、ほとんどのスマホで使えない
NCのON/OFFの効果音がわかりづらすぎる
マイク音質やアプリの改善など、まだまだ改善の余地はありますが『バッテリーライフ・低遅延・高音質』を兼ね備えたイヤホンはそう多くありません。
INZONE Budsは間違いなくゲームをする上で最適なイヤホンの一つと言えるでしょう。
ゲームで使う良いイヤホンを探している方にとっては良いアンサーになると思います。
アプリに大きな問題はありますが、カスタム無しでも普通に使う分には問題ないクオリティなのが救いです。