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【作例付きレビュー】最高にコンパクト。最高にクラシカルなレンズ『Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4』レビュー

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https://thomsonlifelog.com

最高にコンパクト。最高にクラシカル

最新鋭のクラシックレンズと銘打たれた『Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4

現代の性能重視のレンズとは異なり、収差や周辺減光を意図的に残すことでクラシカルな描写をしてくれるコンセプトのレンズです。

Eマウント最高クラスの光学性能を誇る『SEL35F14GM』も所持しているので、比べながら詳しくレビューしていこうと思います。

作例も載せているので、是非見ていっていただけると嬉しいです。

作例まで飛ばしたい方はコチラ

こんな人にオススメ

  • 綺麗すぎる写りに飽きてきた
  • エモい写真が撮りたい
  • MFに抵抗が無い
  • 柔らかで淡い印象の写真を撮りたい
  • コンパクトなレンズが欲しい
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アイキャッチ
【旅の写真】in三重県 フォクトレンダー NOKTON classic 35mm F1.4

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Voigtlander(フォクトレンダー)とは

フォクトレンダーロゴ

参考:https://www.cosina.co.jp/

設計・製造はCOSINA 現代に蘇ったフォクトレンダーブランド

実はすでにフォクトレンダーというメーカーは無くなっており、ブランドや名称、信条が現在へと受け継がれています。

“…weil das Objektiv so gut ist”

読み手によって様々な受け取り方ができる素敵な言葉

かつてあったフォクトレンダー自体は、1756年にオーストリアのウィーンに創業した光学器械メーカー
なんとその歴史は250年以上にもなるのです。

世界初のカメラが1839 年なので、それよりも昔から光学機器を開発していた世界最古ともいえるカメラメーカー。

フォクトレンダー初のカメラは1841 年に発売され、1950 年代は多くのカメラを発売し、急成長。
この時「なぜならレンズがとても良いから」というキャッチフレーズで宣伝され、親しまれました。

しかし1956 年、経営が不安定になりツァイス・グループの一企業となったのですが、
その後ドイツのカメラ産業界自体が厳しい状況となり、1969 年にフォクトレンダーはツァイス・イコンに吸収合併されるに至ります。

因みにこの時、ドイツのカメラ産業を厳しくさせたのは日本製のカメラ
何とも言えない気持ち

NOKTON classic 35mm F1.4

パッケージ

クラシックレンズの味わいを最新の光学技術で磨き上げ、現代に蘇らせた大口径&コンパクトな広角レンズ。
現代の性能主義的なレンズ設計とは異なり、意図的に収差を残すことでレンズのキャラクターと描写の美しさを具現化しています。

公式HPより引用

HPの説明の通り『現代の技術でクラシックなレンズを作る』というコンセプトのレンズ

ノクトンという言葉の意味は、Nokt-「夜」を意味するように、開放F値がF1.5以上に明るいレンズに用いられます。

まずは外観と仕様を見て詳しく見ていきましょう。

外観

内容物

外観イメージ

手に収まるほどコンパクト

外観イメージ(フードあり)

フードやフィルターを付けてもこのサイズ

金属感詳細

外観は素晴らしいの一言
全てアルミで高級感があります。

フォーカスリングは程よく重みがあり非常に滑らか。

フィルター

今回買ったフィルターはこれ

上質なフィルターを買うとゴーストなどが軽減されるのではと思い、安価な物にしました。
コスパは非常に良い一品

フィルター装着イメージ

フィルターを装着するとこんな感じ

カメラ装着イメージ

α7SⅢに取り付けるとこんな感じ

サイズ感のバランスが取れていて非常にかっこいいと思う。

仕様

焦点距離35mm
最小絞りF16
最短撮影距離0.3m
最大撮影倍率約0.16倍(公式では1 : 6.3表記)
最大径×全長φ67×39.6mm
重量262g
5軸ボディー内手ブレ対応(5軸対応ボディーに限る)
フィルターサイズφ58mm
希望小売価格(税別)¥85,000

レンズ構成図

レンズ構成図

参考:https://www.cosina.co.jp/voigtlander/e-mount/nokton-classic-35mm-f1-4/


せっかくなのでレンズ構成も簡単に見ていきましょう。

近代のレンズには珍しく『非球面レンズ』が使われておらず『異常部分分散レンズ』が一枚だけ使用されています。

非球面レンズは主に球面収差を抑える働きを持ち、
異常部分分散レンズは色収差を抑える働きがあります。

このレンズは色収差はある程度抑えられているがピントは少し甘めな設計ということでしょうか。
色収差はあまり好きではないので嬉しいです。

因みにコーティングはMC(マルチコート)

VMマウント版にはMCの他にSC(シングルコート)もあります。
そちらは彩度低めな描写らしいのでそちらの方が良かったですね。

関連

現代で非球面レンズ非搭載は非常に珍しいと言えます。
SONYの単焦点の中でも最も安いFE 50mm F1.8ですら非球面レンズは採用されているんですよ。

特徴の分かりやすい作例

作例

ココがポイント

  • ピントは甘い
  • ゴースト&フレアは盛大に出る
  • ボケは騒がしい
  • パープルフリンジはそれなりに出る
  • 周辺減光は結構出る

旅行に行く機会があったので、レンズの特性が良く出た作例をいくつか紹介しておこうと思います。
どんな写真が撮れるか参考になれば嬉しいです。

また、このレンズは基本的に開放(F1.4)で撮影するのがオススメです。
絞ると普通にシャープな写りになるので、レンズの特徴がかなり薄れてしまいます。

注意ポイント

写真は全てLightroomで色補正だけしています

ゴースト&フレア

まずは何と言っても盛大に出るゴースト&フレア

レンズを太陽に向けるとほぼ間違いなく出ます。
朝日や夕暮れ時に撮影すると、味が出てとても良い。

注意ポイント

ただし一段階でも絞るとほぼ出なくなるので注意が必要

作例

作例

作例

周辺減光

四隅が多少暗くなります。
空などを撮るとわかりやすいのですが、それ以外の写真だとそこまで目立ちません。

クラシックな雰囲気が出て、被写体がフォーカスされてなお良しですね。

個人的にゴーストフレアに次ぐ好きな要素です。

作例

 

作例

 

作例

少し甘めのピント

ピントは無理に合わせなくても大丈夫

開放だと、ピントはカリカリには合いません。
どう頑張っても少し甘めになります。
ですがそれが良い味だと思います。

カリカリに撮りたいときは絞るとシャープになりますよ。

作例

色収差(パープルフリンジ)&画面周辺の流れ

作例

F1.4

中央の木を見ていただくとわかるのですが、パープルフリンジはそこそこ出ます。

パープルフリンジのような色収差もクラシックレンズの特徴なのですが、
個人的にはあまり好きな収差ではありませんね。

また、四隅はかなり流れているのがわかります。
ちょっとグルグルしていてボケは騒がしいですね。

絞り込むとこんな感じ

絞り込むとかなりカリカリに解像されます。

ですが、それでも周辺はまだ暗いです。

解像感の高い写真を撮りたいときは絞りこむのがオススメです。

作例

F5.0

SEL35F14GMとの比較

では、2021年に発売したばかりのEマウント最強の純正GMレンズと比べていこうと思います。

合わせて読む
Eマウント最強の35mm『SONY 35mm F1.4 GM』レビュー&作例

続きを見る

見た目の違い

長さは半分以下、重さはちょうど半分

同じ35mm1.4という性能なのにサイズは雲泥の差

質感もNOKTON classicの方が上質

GMレンズの方には、レンズfnボタンや絞りリング切り替えレバーが付いているのが特徴です。

仕様の違い

 Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4SONY FE 35mm F1.4 GM
焦点距離35mm35mm
最小絞りF16F16
最短撮影距離0.3m0.27m(AF時)
0.25m(MF時)
最大撮影倍率約0.16倍(公式では1 : 6.3表記)0.23倍(AF時)
0.26倍(MF時)
最大径×全長φ67×39.6mmφ76×96
重量262g524g
5軸ボディー内手ブレ対応(5軸対応ボディーに限る)対応(5軸対応ボディーに限る)
フィルターサイズφ58mmφ67mm
希望小売価格(税別)¥85,000¥198,000 

重量はなんとピッタリ半分。すごいです

公称値通り、GMレンズの方が明らかに被写体に寄ることができます。

価格は2倍以上の差。
GM高すぎ

レンズ構成の違い

レンズ構成図

参考:https://www.cosina.co.jp/voigtlander/e-mount/nokton-classic-35mm-f1-4/

参考:https://www.sony.jp/ichigan/products/SEL35F14GM/feature_1.html

上がNOKTON classicで下がSONY FE 35mm F1.4 GM

同じ35mmF1.4という性能なのに構成枚数の差がすごいですね。

さらに、非球面レンズの中でもさらにランクの高い物が2枚も使われています。

描写の違い

ほわっと淡いか、圧倒的描写力か

比較用に違いの分かる作例を撮影してみました。

作例1(色収差・ピント)

作例1

Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4

作例1

SONY FE 35mm F1.4 GM

作例拡大

Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4

作例拡大

SONY FE 35mm F1.4 GM

ピントはフロントガラスと窓の間の柱(Aピラー)に合わせています。

ノクトンクラシックはピントが甘く、ミラーやシートに緑や紫の収差が見えます。
一方GMレンズは色収差は見られず、埃の一粒まで解像していますね。

また、車の天井(ルーフ)を見ると、
ノクトンクラシックのボケは二線ボケのようにブレているのに対して、GMレンズは滑らかなボケ感なのがわかります。

このように改めて見ると、GMの性能の高さに驚きますね。

作例2(ボケ)

作例2

Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4

作例2

SONY FE 35mm F1.4 GM

作例拡大

Voigtlander NOKTON classic 35mm F1.4

作例2

SONY FE 35mm F1.4 GM

ボケは差が顕著な印象です。

GMレンズが滑らかに溶けるようなボケに対して、ノクトンクラシックはブレたような騒がしいボケとなっています。
条件が揃うとグルグルボケのようになるのですが、一般的には良く無いボケとして捉えられがちです。

騒がしいボケ方がいかにもクラシックレンズらしいのですが、昨今の商業写真では厳しいですね。

まとめ

作例

MFに抵抗が無いなら超オススメです。
特にスナップショットに最適。

まるでオールドレンズのような盛大なゴーストや周辺減光が目立つ趣味性の高いレンズ
趣味性が高い分、現代のレンズに買い足すというのがオススメの運用法だと思います。

しかも、価格は約¥70,000(2022年6月時点)と非常にコスパが良いのもメリット

僕はブログ用の綺麗に撮りたい写真はGMレンズを使っていますが、
当面の間はNOKTON classicをつけっぱなしレンズにしようと思います。

隅まで解像したカリッカリの風景画や都市写真などには向きませんが
淡い雰囲気のエモい写真を撮りたい人には全力でお勧めできるレンズです。

興味が沸いた人は是非詳しく調べてみてください。

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普段はプロダクトデザイナーとして働いております。 普段からガジェットやデザイン雑貨を買いあさっているので素敵な情報をシェアしていこうと思います。 買って損しない物を紹介していきます。

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