α7SⅢと同時に発売された『CFexpress Type A CEA-G160T』と『CFexpress Type A / SDカードリーダー MRW-G2』を購入しました。
SDカードとは別次元の速度の次世代メモリーカード
ただし圧倒的に高額
どれくらいの速度が出るのか、買う必要はあるのか
速度を実測しつつ詳しく紹介をしていきましょう。
CFexpress Type A CEA-GとCEA-Mシリーズのスペックと仕様
SONYのCFexpress Type AにはGとMの2シリーズがあります。
CEA-Gシリーズ | CEA-Mシリーズ | |||||
容量 | 80GB | 160GB | 320GB | 640GB | 960GB | 1920GB |
最大書き込み速度 | 700MB/秒 | 700MB/秒 | ||||
最大読み取り速度 | 800MB/秒 | 800MB/秒 | ||||
最低持続書込速度 | 400MB/秒 | 200MB/秒 | ||||
VPG | VPG400 | VPG200 | ||||
曲げ強度 | 150ニュートン(約15kg) | |||||
落下強度 | 7.5メートル | |||||
防塵防水性能 | IP57 | |||||
定価(税込) | 31,900円 | 60,500円 | 99,000円 | 187,000円 | 154,000円 | 286,000円 |
10GBあたりの価格 | 3,988円 | 3,781円 | 3,094円 | 2,922円 | 1,604円 | 1,490円 |
CEA-Mシリーズは容量が爆増したのと引き換えに、最低持続書き込み速度とVPGが200MB/秒に下がっています。
それ以外の性能は同じです。
容量が増えるほど10GBあたりの価格はかなり下がります。
なんで高速で高価なの?
CFexpressはSDカードと異なる規格を採用しており、ほとんどSSDのような物です。
SDカードじゃなくてSSDと考えると、高価なのもうなずけますよね。
VPGって何?
Video Performance Guarantee(動画品質保証)の略
連続してデータを書き込む保証最低速度の数値となっています。

一般的なSDメモリーカードとの比較
CEA-Gシリーズ | 他社製SDXC UHS-IIカード | |
容量 | 160GB | 256GB |
最大書き込み速度 | 700MB/秒 | 260MB/秒 |
最大読み取り速度 | 800MB/秒 | 300MB/秒 |
定価(税込) | 60,500円 | ¥65,780 |
10GBあたりの価格(円) | 3,781 | 2,561 |
一般的なUHS-ⅡのSDカードと比べると速度は圧倒的です。
カタログスペックだけだと2倍以上の差がありますね。
価格は意外と肉薄していますが両方ともAmazonではもっと安く売られており、そちらでも価格差はほぼ同じくらいです。
因みにサイズは一回り小さいです。
ただし、速度を出すにはMRW-G2が必要
MRW-G2 | |
定価(税込) | 19,800 円 |
CFexpress Type Aの性能を発揮するためには専用のカードリーダーが必要です。

CFexpress Type A CEA-G160Tを開封レビュー
SDカードよりも一回り小さくて少しだけ薄い
外装は樹脂なので放熱性能はそこまで高くはなさそうな印象です。
電子接点はSDカードと同じくむき出し
接点の間に壁が無いので触れてしまいやすいです。
ビルドクオリティは相当高くて信頼感は高そう。
1スロットでCFexpress Type Aだけでなく従来のSDカードも読み込むことができるので非常に便利。
CFexpress Type A CEA-G160Tをベンチマーク
ベンチマークに使うのは定番の『CrystalDiskMark 8』
初期設定の「1GiB」に加え、最大設定の「64GiB」でもチェックしていきます。
まずは「1GiB」から

1GiBでのテスト
読み取りは820MB/秒、書き込みは720MB/秒
1GiBではカタログスペック通りの速度が出ました。
では次は「64GiB」です。

64GiBでのテスト
だいぶ速度低下が見られますが、基本はカメラからカードへの書き込みがメインなので十分な速度だと思います。
GiBって?
1GiB=1.07374GB
GBはメートル法、GiBは二進法
その違いにより2.4%の数値の差が出ます。
大体同じくらいという認識で問題ありません。
因みにUHS-ⅠのSDカードだとどれくらいの速さ?
圧倒的な速度差です。
最大で10倍弱の速度差があります。

CFexpress Type A CEA-G160Tの実運用速度

- PCへの転送速度
- 非圧縮RAW+JPEGの連写テスト
- 高負荷設定で動画の長回し
PCへの転送速度
適当なファイルを10GBほどPCにコピーして転送速度をSDカードと比較してみましょう。
まずはUHS-ⅠのSDカードから

SDカードの転送速度
平均して100MB/秒弱の速度が出ました。
時間にして約2分です。
次にCFexpress Type Aを見ていきます。

CFexpress Type Aの転送速度
速度は平均して500MB/秒強の速度が出ています。
時間は約20秒


非圧縮RAW+JPEGの連写テスト
以下の設定で検証していきます。
私の使っているカメラはα7SⅢと低画素機なので、検証としては少し甘くてすみません。
使用カメラ | α7SⅢ |
ファイル形式 | RAW+JPEG |
RAW記録方式 | 非圧縮 |
JPEG画質 | エクストラファイン |
JPEG画像サイズ | 12M |
結果は以下の通り。
バッファ詰まりまでの時間 | バッファ詰まりまでの撮影枚数 | |
CEA-G160T | 180秒以上 | 1000枚以上 |
他社製SDXCカード | 6.4秒 | 約30枚 |
SDXCカードだと6秒強でバッファ詰まりを起こして連写ができなくなりました。
一方でCEA-G160Tでは3分以上連写を続けてもバッファ詰まりは発生しなかったので停止いたしました。
合計で1000枚以上撮影しましたが、タイムラグ無しで保存されていたのでまだまだ撮影可能かと思われます。


CFexpress Type Aはこんな人に必要

一部の機能はCFexpress Type Aでないと使えない

引用:SONY
最近のハイエンドカメラの性能をフルに発揮するのはCFexpress Type Aは必須です。
特に動画撮影では必須級で、編集しやすい「XAVC S-I+プロキシ」などが使えなくなります。

高画素機で連写をよく使う
例えばα7RⅤやα1で非圧縮RAW形式の連写をするなら必須です。
CFexpress Type Aでも「非圧縮RAW+JPEG」なら最大88枚となっています。
一気に88枚連写することは無くても、断続的な連写でもバッファ詰まりは起きるので少なくとも1枚は必要でしょう。
大容量データを取り扱う
PCへの転送速度が別次元なのでストレスフリー。
特別な機能も連写も使わないけど、大量の写真や動画のような大容量のデータを取り扱う人にはおすすめです。
データのやり取りが高速なので、日々の小さなストレスから解放される影響は大きいです。

まとめ:対応カメラを持っているなら「買う」べき

それくらい速い
性能は確かで堅牢で安心感も高い。
そして価格も高い。
ですが、基本的にCFexpress Type Aに対応しているカメラは高画素であったり動画に特化していたりしています。
そのようなカメラを所持しているのであれば性能をフルに発揮しない手はないでしょう。
多少出費はかさみますが、買って損のないアイテムだと思います。
自分の撮影スタイルにぴったりの容量を見つけてみてはいかがでしょうか。