メモリーカード、種類がたくさんありすぎてどれを買えばいいのかわからない。
そんな悩みを持つ方、意外と多いのではないでしょうか?
容量だけでなくUHSやclassなど聞きなれない言葉も多く使われていて、かなり複雑化しています。
そこでこの記事では、代表的なSDカードを詳しく図解付きで解説していこうと思います。
最後におすすめのSDカードも理由付きでご紹介します。
どれがいいか迷ってる方のお役に立てれば幸いです。
主流のSDカード
SDカード

参考:https://www.sony.jp/
最もよく見るあのカード
大体のカメラに使うことができ、PCによっては直接させるものも存在します。
容量によって『SDカード』『SDHCカード』『SDXCカード』と名称が異なります。
microSDカード

参考:sandisk
SDカードをさらに小型化した物
主にGoProなどの小型カメラで使用されています。
非常に薄くコンパクトで、SIMカードくらいのサイズしかありません。
SDカードと同じく『SDカード』『SDHCカード』『SDXCカード』の三種類が存在します。
関連
実は、SDカードとmicroSDカードの間に『miniSDカード』という記録メディアも存在します。
現在ではほとんど使われなくなりましたが、ガラケーを使ったことのある人なら懐かしく感じるのではないでしょうか。
CFexpress typeA

参考:SONY
比較的最近発売された次世代のメモリーカードです。
現状、SONYのカメラでしか採用されていないので普及するかが心配です。
特徴は、とにかく速い
SDカードと比べものにならないくらい速いです。
それもそのはず
SDカードとは異なる、
NVMe(Non-VolatileMemoryExpress)という規格になっており、これはSSDで使われるものです。
小さなSSDと考えると、速いのもうなずけますね。
加えてSDカードよりも小さいので、カードスロットを共通化できる強みがります。
例えばα7SⅢは、カードスロットは1つでSDカードとCFexpress typeAの両方を使うことができます。
CFexpress typeB
CFexpress typeAよりも少し大きなSDカードです。
SDカードよりもさらに大きいです。
転送速度はtypeAよりもさらに速く、主にCanon、Nikon、Panasonicのカメラで採用されています。
typeAと同じくNVMe規格です。
【おまけ】CFexpress typeC
typeA、Bと来ればCもあるのか?
あります。
typeBよりもさらに大きく名刺ほどのサイズです。
理論値ではtypeAの4倍のスピードでデータを送ることができるらしい。
ただし、typeAなどと共に発表されただけで実物を見たことはありません。
売っているのも見たことが無いです。
よく使われる用語
SDカード
①最大読み取り速度(転送)
読み取りの最大転送速度です。
170MB/sだと、1秒間に最大170MBのデータを転送することができます。
速いほど、パソコンへの転送が高速になります。
②容量
保存できる最大容量です。
次項で容量の目安を記載していますので、参考になれば嬉しいです。
③SDカード規格
SD/SDHC/SDXCが存在しており、容量によって規格が異なります。
使用機器側がその規格に対応している必要があるので、製品仕様などを確認しておきましょう。
④ビデオスピードクラス
ビデオ撮影における1秒間に読み書きできるデータの最低保証速度のことです。
V〇〇と表記されます。
V90|最低90MB/秒を保証
V60|最低60MB/秒を保証
このように、数字が高いほど常に高いパフォーマンスを維持してくれます。
⑤UHS規格
「Ultra High Speed」の略で、SDHC・SDXCカードで用いられる転送速度に関する規格です。
UHS-Ⅰは『Ⅰ』のように省略して記載されています。
カメラ側もその規格に対応している必要があるので、注意が必要です。
下位互換性を持っているので、UHS-Ⅱに対応している機器はUHS-Ⅰも使うことができますよ。
UHS-Ⅰは最大104MB/秒、UHS-Ⅱで最大312MB/秒、UHS-Ⅲで最大624MB/秒まで対応できます。
豆知識
UHSは規格上の転送速度であって、画像のようにUHS-Ⅰ(最大104MB/秒)でも170MB/sを実現している物もあります。
この場合、理論上は170MB/sの速度を出せるので、メーカー仕様の転送速度を参考にするといいですよ。
⑥スピードクラス
最低保障される書き込み速度を示しています。
数字が大きいほど書き込みスピードは速くなります。
CLASS2だと2MB/秒以上の最低書き込み速度
CALSS10だと10MB/秒以上の最低書き込み速度が保証されています。
⑦UHSスピードクラス
最低保障される書き込み速度を示しています。
スピードクラスよりもより高速な書き込みに対応する規格です。
CLASS1だと10MB/秒以上の最低書き込み速度
CALSS3だと30MB/秒以上の最低書き込み速度となります。
⑧最大書き込み速度
写真や動画をカードに書き込む速度です。
速いほど連写や動画の書き込みが快適になります。
150MB/sの場合、1秒間に最大150MBのデータを書き込むことができます。
注意ポイント
書き込み速度は、SDカード上に記載されていない場合が多いです。
その時は、公式HPや商品詳細でチェックしておきましょう。
CFexpress typeA
①最大読み出し速度
パソコンなどに転送できる最大速度です。
「R」はReadのことを指しています。
②最低持続書き込み速度(VPG)
Video Performance Guaranteeの略です。
動画品質保証とも呼ばれます。
動画を保存する際に、連続してデータを書き込む最低保証速度が記されています。
VPG400は最低400MB/秒の書き込み速度が保証されます。
③最大書き込み速度
メモリーカードに書き込み出来る理論上の最大速度です。
「W」はWriteをことを指しています。
SDカードの選び方
ステップ1:カメラ側の規格とあったものを
これを間違えるとSDカードが使えません。
どのようなSDカードが使えるのかは、カメラ側が何に対応しているかを知る必要があります。
カメラならカードスロットの蓋を開けたところなどに記載されている場合が多いです。
SDカードが使えても、SDXCまで対応していない場合があるので、説明書や公式HPで仕様を確認しておくのがいいですよ。
ステップ2:何を記録するかで選ぶ
動画や写真など、自分が何をどのように保存するかによって選ぶメモリーカードが変わってきます。
例えば
ココがポイント
- スナップショットなどの通常の写真:『SDHC以上』
- 超高画素の写真:ある程度高速な『256GB以上の大容量SDXC』
- 高速連写による写真:『書き込み速度260MB/sなどの高速SDXC』
- HD画質の動画:『V30やV60のSDXC』
- 高画質/長時間動画:高速&大容量の『CFexpress typeA』『CFexpress typeB』『V60やV90の大容量SDXC』
このように、自分のやりたいことに合わせてSDカードを選択しましょう。
高速な物は快適さが別格なので、予算が許す範囲内でランクの高い物を買うのがオススメです。
ステップ3:容量を決める
最後に、どれくらいの容量が必要かを決めましょう。
大は小を兼ねるので大容量がオススメです。
しかし、紛失や故障のリスクを分散させるなら少ない容量を複数持つのも良い選択肢でしょう。
画像や動画によって容量は異なりますが、大体の目安の容量を記載しておきます。
注意ポイント
- RAW保存やプロキシ撮影で保存可能枚数は大きく変わるのでご注意ください。
- SDカードの実質使用可能量については考慮していません。
- 写真は1000万画素(10MP)を5MBで計算しています。
4GB | 8GB | 16GB | 32GB | 64GB | 128GB | 256GB | 512GB | |
24MP写真 | 約320枚 | 約640枚 | 約1280枚 | 約2560枚 | 約5160枚 | 約10320枚 | 約20640枚 | 約41280枚 |
33MP写真 | 約242枚 | 約484枚 | 約968枚 | 約1936枚 | 約3872枚 | 約7744枚 | 約15488枚 | 約30976枚 |
61MP写真 | 約131枚 | 約262枚 | 約524枚 | 約1048枚 | 約2096枚 | 約4192枚 | 約8384枚 | 約16768枚 |
フルHD動画 60fps | 約8分 | 約17分 | 約35分 | 約1時間10分 | 約2時間20分 | 約4時間40分 | 約9時間20分 | 約18時間40分 |
4K動画 30fps | 約4分 | 約8分 | 約17分 | 約35分 | 約1時間10分 | 約2時間20分 | 約4時間40分 | 約9時間20分 |
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【カメラ別】オススメSDカード
では、最後にカメラ別にオススメのSDカードを紹介していこうと思います。
個人的な好みも入っているのですが、参考になれば嬉しいです。
サンディスクが多い理由は、今まで使っていて不具合が起きたことが無いので信頼しております。
エントリーモデル(α7C/EOS R10/Zfc/Z50等)
ライトな写真を撮るだけならSDHCで十分だと思います。
動画や多くの写真を撮る方はSDXCを買っちゃった方が良いでしょう。
スタンダードモデル(α7Ⅳ/EOS R6・R7/Z6Ⅱ等)
【SDXC】
【CFexpress typeA】
【CFexpress typeB】
最近のスタンダードモデルはとても高性能なので、写真も動画もがっつりやりたいという方はCFexpressを買った方が快適でしょう。
CFexpressは高すぎて・・と言う方は、上から2つ目のSDXCのUHS-Ⅱ V60クラスが良い落としどころだと思います。
注意ポイント
EOS R6・R7はCFexpress typeBに非対応なのでご注意ください。
高画素モデル(α7RⅣ/EOS R5/Z7Ⅱ等)
【SDXC】
【CFexpress typeB】
一つのファイルサイズが大きくなるので、大容量・転送/書き込み速度の速いモデルがオススメです。
エントリー動画特化モデル(ZV-E10/Z30等)
エントリー動画機はV30もあれば十分だと思います。
転送速度も申し分ないモデルです。
ハイエンド動画特化モデル(FX3/α7SⅢ/EOS R5 C/GH6等)
【SDXC】
【CFexpress typeA】
【CFexpress typeB】
V60・V90レベルの動画特化モデルです。
予算に余裕のある方はCFexpressが確実でしょう。
転送速度に明確な差が出てきます。
ハイエンドモデル(α1/EOS R3/Z9等)
【SDXC】
【CFexpress typeA】
【CFexpress typeB】
このカメラを持つレベルの方におすすめするのは恐縮なのですが
恐らくプロの方なので、お金に糸目をつけずにCFexpressの一番大容量なモデルを買った方が良いと思います。
2022年10月16日追記
CFexpress typeAの大容量モデルが発売しました。
流石にこの価格は笑っちゃいますね。
GMレンズが買える価格です。
320GB:99,000円(税込)
640GB:187,000円(税込)
まとめ
長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました。
SDカードは新規格がどんどん増えているので今後もさらに複雑になると思います。
ですが、間違いなく言えることは
とりあえずいいやつ買っておけば後々助かる
この記事が、最良のカード選択につながれば嬉しいです。