カメラの中でも重要な要素の『シャッタースピード』
F値、ISO感度と並んでカメラの三大要素の一つです。
わかりそうでわからないという初心者の方も多いかもしれません。
そこで今回は初心者の方でも理解しやすいように
写真撮影における『シャッタースピード』について詳しく解説していこうと思います。
撮影するときのヒントになれば嬉しいです。
シャッタースピードとは
シャッタースピードとは、シャッターが開いている間の時間を示す数字です。
『シャッター速度』『SS』などのように呼ばれることもあります。
1秒、1/2秒、1/4秒…のように表示されます
- 1秒→1/2秒のように数字を小さくすることを「上げる」「速くする」と言います。
- 1/2秒→1秒のように数字を大きくすることを「下げる」「遅くする」と言います。
写真は撮像素子に光が当たっている間、映像を記録し続けます。
例えば1/100だと、1/100秒間を記録するということです。
なので、シャッタースピードが速いほどブレの無い瞬間を切り抜いた写真になります。
一方で、遅くすることで躍動感のあるブレた写真が撮れる、ということになります。
ブレには大きく2種類あります。
- 手振れ:自分の動きによるカメラのブレ。シャッターを押すアクションなどでも発生します。
シャッタースピードを上げる他に、手振れ補正機能で物理的・電子的に補正が可能です。
また、望遠レンズの方が手振れが発生しやすいです。 - 被写体ブレ:被写体が動くことで発生するブレ。シャッタースピードを上げることでしか対策できません。
メカニカルシャッターと電子シャッター
通常、シャッターと言えばメカニカルシャッターを指す場合が多いです。
しかし、近年のデジタルカメラには『電子シャッター』という物が搭載されています。
これについてはまた別の記事で紹介しようと思います。
シャッタースピードを上げると起こるメリット
被写体ブレを抑えられる
動いている被写体でも、1/8000秒のような目にも止まらない速さでシャッターを切ると時が止まったような写真が撮れます。
花や髪の毛のような軽い物は風にすぐになびいてブレてしまうので、シャッタースピードを速くすることでぶれの無い写真が撮れるでしょう。
手振れを抑えられる
人間は完全に制止することは不可能なので、シャッタースピードが遅いと必ずブレます。
手振れ補正機能に頼るのもいいですが、一番いいのはシャッタースピードを上げることです。
シャッタースピードを上げることで手ブレの無い写真を撮ることができます。
手ブレを防ぐためのシャッタースピードの目安は後でご紹介いたします。
シャッタースピードを上げると起こるデメリット
写真が暗くなる
シャッタースピードを上げることで、撮像素子に光が届く時間が少なくなるのでその分暗くなります。
なので明るくしたいのであれば、通常はシャッタースピードを遅くする必要があります。
シャッタースピードを維持したまま明るくするのであれば『F値を小さくする』『ISO感度を上げる』などの方法で対処する必要があります。
【カメラの基礎】F値とは何か?初心者でも簡単にわかるように図解付きで解説!
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【カメラの基礎】ISO感度とは何か?初心者でも簡単にわかるように解説!
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【シャッタースピード別】写真の違い
シャッタースピードは「速いから良い」「遅いから良い」のようなことはありません。
狙いのイメージで最適な設定にする必要があります。
ここでは、撮れる写真のイメージをいくつか紹介しようと思います。
1/2000~1/8000(高速シャッター)
高速で動くものを撮るときや、晴天下で明るくなりすぎるときなどに使うことが多いです。
高速シャッターは基本的に屋外で使うものと考えて良いと思います。
1/100~1/800
いわゆるスナップショットは1/100~1/640辺りで撮ることが多いのではないでしょうか。
ゆっくりと動くものなら十分にピントを合わせらるので、素早く撮るのに適しています。
また、室内での写真もこの辺りのシャッタースピードが便利です。
~2(スローシャッター)
スローシャッターとは、三脚前提の据え置きショットを指す場合が多いです。
手持ちだとどうしても、シャッタースピード1秒くらいが限界です。
動きのある水流や花火、星空などにはベストなシャッター速度でしょう。
明るい場面でシャッタースピードを下げたいときは
例えば、晴天下の下で水流が絹のような噴水を撮る為にシャッタースピードを下げたいとします。
ですが、F値を絞ってISO100にしたとしてもまだ明るい場合があります。
こうなってしまうと、残念ながらカメラの性能の限界なので目的の写真は撮れません。
左の写真はISO40まで下げているのですが、それでも明るすぎて滑らかに撮ることは不可能でした。
そんな時は『NDフィルター』というアイテムが便利です。
これはサングラスのような役割を持っており、レンズから入ってくる光を抑制する働きがあります。
動きものや花火、滝などを撮る人にとっては必須アイテムですね。
NDフィルター
レンズに入る光を抑える役割のフィルター。
晴天下でシャッタースピードを低くしたい場合などで使います。
NDは「Neutral Density(ニュートラル・デンシティー)」の略
直訳すると「中立な濃度」になります。
「ND」の後に続く番号は「光の量を何分の1に減らせるか」を示しています。
数値が大きくなるほどND濃度は濃くなり、より多くの光量をカットできます。
例えば、ND4なら光量を4分の1(2絞り分)、ND16なら1/16(8絞り分)暗くすることができるのです。
【豆知識】シャッタースピードの目安
手持ち撮影で手振れを起こさずに写真が撮れるシャッタースピードの限界は『1/焦点距離』が目安、のように言われています。
例えば、20mmのレンズなら1/20辺り、400mmなら1/400辺りが限界、というわけです。
さらに速いことに越したことはないのですが、いざというときの参考になれば嬉しいです。
まとめ
シャッタースピードについていかがだったでしょうか。
F値やISO感度に比べて、写真の表情が大きく変わるパラメータなので是非使い倒してみてください。
これに加えて『F値』『ISO感度』を組み合わせれば、もうほとんどの表現はできると言っても過言ではありません。
慣れてマニュアル撮影ができるようになれば、カメラがもっと楽しくなるのではないでしょうか。
見てくださった皆様の何かのお役に立てれば嬉しいです。
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