これでオールドレンズを全てAF化できる!!・・わけではないですが、かなり便利なアイテム
オールドレンズのデメリットと言えばMF強制なことろ
これが良い部分でもあるのですが、AFの速さに慣れてしまうとどうしても手間に感じてしまいます。
そんな悩みを解決してくれる便利なアイテムがLM-EA7というわけです。
ずっと試してみたかったので購入したのでご紹介いたします。
因みに価格は¥42,800
高すぎ・・
2022年11月追記
10月に後継機の『LM-EA9』が発表されました。
LM-EA7は生産終了となるので、今から買う人は新型を買うことになりそうですね。
でっぱりが無くなって非常にコンパクトに。
デメリットが無くなってより使いやすくなりました。
ココがポイント
- レンズによっては完全AF化はできない
- 合焦は遅めだがそれなりにピントは合う
- 使い方をマスターするのは大変
- 本来の最短撮影距離より寄れるようになるのが便利
オールドレンズをAF化できるLM-EA7とは
オールドレンズをAF化。そしてさらに寄って撮影ができるようになる画期的アイテム。
TECHART(テックアート社)のLM-EA7は、ライカMマウントレンズをEマウント規格のミラーレスカメラでAF動作させる画期的な電子マウントアダプターです。
価格も安くなく、重量もそれなりにあります。
しかし、オールドレンズをAF化できるというメリットはあまりにも大きいのではないでしょうか。
オールドレンズをたくさん持っている人は勿論、これから使う人にもおすすめのアイテムです。
最新の高性能レンズは20万円以上するものがザラにあるカメラの世界。
それを考えると『オールドレンズ+LM-EA7(約4万円)』でも全然安いと感じるのではないでしょうか?
オールドレンズは安い物なら1万円前後、
上を見ればきりはないですが、大半のレンズは10万円以下で購入できます。
注意ポイント
- 像面位相差AFに対応している機種でしか使えないので、注意が必要
- レンズと合わせて500gを超えると動作が保証されません。
外観
アルミボディでとても堅牢なボディ
実際どこまで堅牢なのかはわからないが、ぱっと見はかなりしっかり作られている。
モーターが内蔵されている部分が下側に大きく飛び出しています。
レンズによっては干渉するものがあるらしいので注意が必要ですね。
通常のアダプタと比べると勿論少し邪魔です。
注意ポイント
レンズつけっぱなしはモーターに負荷がかかるので、保管するときは外すかレンズを上にして立てて保管するのがオススメです。
今回使用してみるレンズ『CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 85mm F2.8 』
今回装着するレンズは『CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 85mm F2.8 』
コンパクトなサイズに凝縮された金属の塊といったイメージがメカメカしくてかっこいいレンズです。
とてもきれいな状態で購入できたので気に入っております。
オールドレンズの中では比較的新しい方で、1975年ごろに発売されたものです。
価格は状態に寄りますが、¥38000くらい。
使うにはC/Y-L/Mマウントアダプターが必要
このレンズはC/Yマウント(Contax Yマウント)なので、まずはMマウント(Leica Mマウント)に変換させるアダプターが必要です。
ココがポイント
Mマウント以外のレンズにはアダプタがさらに必要ということですね。
装着するとこんな感じ
レンズ周りがメカメカしくてとてもカッコいいです。
見た目だけなら純正レンズよりもかっこよくて気に入ってます。
ただし、モーターのでっぱりは結構邪魔ですね。
PeakDesignのデュアルプレートを付けると、高さがほぼ同じでがたつきが減るのでおすすめです。
普段付けているedelkroneのクイックリリースワンは干渉して使えませんでした。
【レビュー】カメラユーザー必須の最強アクセサリー!『edelkrone』の3種の神器
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何枚か撮ってみた
AFは想像よりかは速く動きます。
静物に対してはスッとピントが合うのですが、動体は少し厳しめといった印象です。
LM-EA7のレビューなので、少なめに写真を紹介しておこうと思います。
※Lightroomで色味など少し調整しています。
LM-EA7の基本的な使い方
使い方は結構癖があるのでマスターが大変です。
というより記憶が大変。
最低限、使用前の設定だけは覚えておく必要があるのでご紹介いたします。
使用前に設定する6つのこと
撮影開始の前に設定しておく項目は6つあります。
順序はないので、全て設定しておきましょう。
モードダイヤルのカスタムに登録しておくと楽ですよ。
- ボディの絞り値は常にF2.0にする
- ,AFエリアは中央にしておく
- モードはAかM
- シャッター半押しAELは「切」
- レンズは開放絞りにしておく
- ファームウェアを自分のカメラに合ったVerにする
注意ポイント
※ファームウェアは機種によって対応Verが異なるのでHPを確認する必要があります。
焦点工房サポート&ダウンロード
基本操作
- シャッター半押しでピントを合わせる
- ,絞り値はピントを合わせてから絞る(でないとピントがかなり合いづらい)
- あとはシャッターを押すだけ
レンズデータの保存&切り替え
焦点距離の情報を残したい場合は、カメラ側のダイヤルを回して、データ設定用絞り値に設定してシャッターを切ると有効になります。
そして再度F2.0に戻し撮影を行うと画像情報に反映されます。
どのレンズで撮影したか記録しておきたい場合などに便利な機能ですね。
僕は撮影のたびにPCに入れているので使っていません。
注意ポイント
現在は15,18,21,24,25,28,35,50,90,135(mm)の焦点距離しか登録できません。
MF無限遠/MFマクロモード
MF無限遠モードとMFマクロモードがあります。
これが少しややこしいのですが非常に便利なので、ぜひマスターしたい機能です。
この機能を使うには、まず『AF/MF切り替え』を行う必要があるので、順を追って解説していこうと思います。
AF/MF切り替え
MENUから[再押しAF/MFコントロール]をカメラ本体のカスタムキーに設定します。
そのカスタムキーを押すたびにAFとMFが切り替わります。
この機能は次に紹介するモード切替で必ず使うので登録しておくと便利ですよ。
僕はC3に登録してあります。
MF無限遠モード
- MFに切り替える
- カメラ側の絞り値をF40にする
- シャッターを切る
- 一度AFにして再度MFに戻す
- ,カメラ側の絞り値をF2.0に戻す
- アダプタが収まった状態で固定され無限遠撮影が可能になる
ポイント
シャッターを切った後に[再押しAF/MFコントロール]を割り当てたカスタムボタンを2回連続で押すとモードが切り替わります
(これが仕様なのかはわからないのですが、α7SⅢではそうしないと切り替わりませんでした)
MF無限遠モードは通常のマウントアダプターとして使うモードです。
このモードにすると、普通のマウントアダプターと同じ全長で固定されます。
いつも通りのマニュアルフォーカスで使いたいときはこのモードが便利ですね。
MFマクロモード
- MFに切り替える
- カメラ側の絞り値をF36にする
- シャッターを切る
- 一度AFにして再度MFに戻す
- カメラ側の絞り値をF2.0に戻す
- アダプタが繰り出した状態で固定されマクロ撮影が可能になる
ポイント
MF無限遠モードと同じく、シャッターを切った後に[再押しAF/MFコントロール]を割り当てたカスタムボタンを2回連続で押すとモードが切り替わります。
MFマクロモードは本来よりもさらに寄れるようになるので便利です。
マクロモードにするとLM-EA7のMマウント面が繰り出された状態で固定されるので、通常のマウントアダプターよりもフランジバックが長くなります。
この状態でピントリングを近接にすることで、本来よりも最短撮影距離が縮まるので被写体に寄ることができるようになるのでとても便利です。
この機能は通常のマウントアダプターでは再現できない強みですね。
LM-EA7を使ってみた感想
ココがおすすめ
- 最新のAFと比べると遅いのは当然ですが、十分実用可能な速さで便利
- 通常のマウントアダプターよりも寄れるようになる
- 電子部品が組み込まれているので、アップデートによる性能向上が期待できる
- 瞳AFは結構食いつく
ココがダメ
- 完全AFではなく、場合によってはMFで追い込む必要がある
- 動体はかなりの慣れが必要
- 価格が高すぎる
- MF無限遠モードやMFマクロモードに切り替える方法が面倒
個人的な感想ですが、被写体別の有効度は
モデルが動かないポートレート > スナップ > 静物 > 動きもの
といった感じでしょうか。
SONYの瞳AFは非常に優秀なので人間にはしっかり食いついてくれます。
ですが、被写体が動くと流石に間に合わず追従してくれません。
とまっているモデルの方を撮る分には非常に有効だと思います。
静物や物撮りはMFの方が確実かなと言った印象。
動きものはモーターが追い切れずかなり厳しいです。
しっかりピントを合わせるのは至難の技だと感じました。
完全AF化ができない原因
では、完全AF化ができないとはどういったことなのかをご紹介していきます。
LM-EA7は約4.5mmの内蔵ヘリコイドが前後することでレンズを移動させてピントを合わせています。
そしてオールドレンズによく見られる『全群繰り出し方式』も同じくレンズ群を前後に動かしてピントを合わせています。
つまり『レンズの繰り出し量 > LM-EA7の繰り出し量(約4.5mm)』の場合は4.5mm以上の距離は合焦ができなくなるので、ピントリングを回して調整する必要があるのです。
恐らく35mm辺りよりも焦点距離が長いレンズは完全AF化はできないと考えて良いだと思います。
せめて80mmくらいまで完全AF化できていたら正真正銘の神アイテムだったと思うのですが、物理的にどうしようもないので残念です。
ココがポイント
35mm以上の焦点距離のレンズは追い込みMFが必要
関連
因みに、現代のレンズはレンズの全長が変わらない『インナーフォーカス』が多いです
【2022年11月追記】新型の『LM-EA9』が発表されました。
2022年10月頃に『LM-EA7』の後継機の『LM-EA9』が発表されました。
主な進化ポイントは以下の通りです。
進化ポイント
- モーターのでっぱりが無くなってスタイリッシュに
- 価格が42,800円 ⇒ 56,700円に爆増
- 以前よりも高い耐久性と静粛性
価格が14,000円も上がっているのは驚きですね。
簡単に手が出せない領域。
でっぱりは確かに邪魔だったのですが基本性能は変わっていなさそうです。
『オールドレンズをAF化させるアダプタ「LM-EA7」って実際のとこどう?』まとめ
便利かと聞かれるとかなり便利。
ただ価格には見合っていないと思います。
セミAFのデメリットも、フォーカス範囲を近接と望遠にざっくり2分割すれば大体AFで撮ることができるので、便利かどうかと聞かれるとそこそこ便利です。
オールドレンズを片手でスナップ感覚で撮影できるのは確かに画期的です。
それに加えて、レンズ仕様よりも寄れるのはLM-EA7にしかないメリット
今も昔も寄れるというのは大正義だと思います。
にしても4万円オーバーはいくらなんでも高すぎだと思います。
普通のマウントアダプターが約¥4,000なので、恩恵を考えると半額でちょうどくらいだと感じてしまいます。
とはいえ、まだ多くのレンズで試したわけではないので使いこんだとは言えません。
まずはもっと使いこなせるように慣れていこうと思います。
使用したレンズはこちら⇩