マイクロフォーサーズ(MFT)からフルサイズへ乗り換えて後悔はあった?
乗り換えて2年が経過したので、そんな疑問にお答えしていこうと思います。
サイズ感や画質の違いは?
実際に運用してみた感想は?
それぞれメリットとデメリットがあります。
この記事では、フルサイズに変えて良かったことや悪かったことをご紹介していこうと思います。
これからカメラを買う人、フルサイズへ乗り換えようとしている人の参考になれば嬉しいです。
ココがポイント
- MFTは小型軽量。でも邪魔であることに変わりはない
- ボケ感はフルサイズが一枚上手
- MFTはパンフォーカスが得意
- フルサイズはお金がかかる
- 手振れ補正やダストリダクションはMFTが最強
フルサイズとマイクロフォーサーズの違いはたった1つ
フルサイズとマイクロフォーサーズは何が違うのか。
主な違いはたった1つです。
簡単なので初めに紹介しておこうと思います。
フルサイズの方がセンサーサイズが大きい
イメージセンサー(撮像素子)とは、カメラのレンズを外した時に見える緑色の部分を指します。
この部分で光を受け取り、情報をデジタル化する仕組みとなっています。
フルサイズとマイクロフォーサーズではこの部分のサイズが異なるのです。
センサーユニットが大きければ大きいほどカメラとレンズのサイズが大きくなる傾向があります。
この違いだけで、性能以外にもサイズや価格が変わってくるのです。
では、これを踏まえてメリットとデメリットを紹介していきましょう。
フルサイズとマイクロフォーサーズのメリット&デメリット
フルサイズとマイクロフォーサーズの代表的なメリット&デメリットを紹介していきます。
画質と言っても様々な要素がありますが、まずはざっくりと見ていきましょう。
フルサイズ | マイクロフォーサーズ | |
画質 | ◎ | 〇 |
サイズ(持ち運びやすさ) | △ | 〇 |
価格 | × | 〇 |
レンズの豊富さ | ◎(マウントによる) | △ |
こう見てみると、マイクロフォーサーズは非常にバランスの取れたシステムですね。
画質だけで比べられがちですが、メリットは非常に多いマウントとなっています。
一方でフルサイズは画質やレンズの種類は優れていますが、コストやサイズの面では劣っています。
では、それぞれを詳しく見ていきましょう。
サイズ感の違い。実際に使ってみてどう?
まずはサイズ感と重さについてご紹介いたします。
後悔はしていませんが、確実に重くなったと感じます。
まとめると
- フルサイズは重い。お世辞にも軽いとは言えない
- マイクロフォーサーズも邪魔であることに変わりない
はっきり言って、フルサイズは大きく重い
フルサイズは、予想通りかなり大きく重たいです。
例えば近い性能のボディに24-70mm F2.8相当のレンズをつけて比べても、約370gの差があります。
レンズによっては、ふらっと近場に出かけるのに持って行くのは正直辛いですね。
α7Ⅳ+24-70mm GMⅡ | 1353g |
OM-1+12-40 PRO Ⅱ | 981g |
マイクロフォーサーズも邪魔であることに変わりはない
では、マイクロフォーサーズが邪魔ではないかと聞かれるとそうではありません。
カメラにレンズが付いている形状である以上、邪魔なことに変わりはないのです。
ただし、体への負担はマイクロフォーサーズの方が圧倒的に少ないです。
邪魔さを感じなくなるのはコンデジクラスからですね。
フルサイズとマイクロフォーサーズの画質の違いは?
個人的に画質はフルサイズに分があると感じました。
ボケ感やノイズなど、細かく見ていきましょう。
良くボケるのはフルサイズ。ただし一長一短
一般的に、センサーサイズが大きいほどボケると言われております。
なのでマイクロフォーサーズに比べるとフルサイズは良くボケます。
ただし、ここで気をつけたいのが「ボケる=良い写真」ではないということですね。
被写界深度が浅くなりすぎてコントロールしづらい時のように、マイクロフォーサーズの方が良いなと思う時は多々あります。
ですが、フルサイズは絞れば被写界深度を深くできます。
一方でマイクロフォーサーズは開放でもフルサイズのボケ感は出せません。
この差は大きいと個人的に思います。
特に差が出るのはノイズ
ノイズに関しては完全にフルサイズの方が優れています。
1画素が大きいほど受光量が増えます。
なので、同じ画素数だとセンサーサイズが大きい方がノイズにも強くなるのです。
感度を上げたいシーンは山ほどあるので、フルサイズの良さを実感する瞬間ですね。
マイクロフォーサーズはISO1000を超えたあたりからノイズが顕著に現れますが、フルサイズではまだまだ余裕があります。
とは言え、OM-SYSTEMのOM-1などのフラッグシップモデルはかなり改善されているようですね。
フルサイズの価格は高い?コストは?
コストに関してはどうでしょう?
言わずもがな、フルサイズは全てが高額です。
後悔はしていませんが、何かを買うたびにお金がかかって仕方がないです。
フルサイズはお金がかかって仕方がない
例えば、ソニーのスタンダードモデルのα7Ⅳの定価は372,900 円(税込)です。
ボディだけで約40万円です。
とても気軽に始められる趣味ではありませんね。
マイクロフォーサーズのフラッグシップはフルサイズのエントリー機の価格で買えます。
例えば以下の機種の価格を見てみましょう。
フルサイズ | α7C | ¥262,900 |
α7Ⅳ | ¥372,900 | |
R8 | ¥264,000 | |
R6 Mark II | ¥396,000 | |
マイクロフォーサーズ | OM-1 | ¥272,800 |
OM-5 | ¥162,800 | |
GH-6 | ¥236,610 |
フルサイズのエントリーモデルの価格とOM-SYSTEMのフラッグシップモデルの価格が大体同じですね。
因みにαのフラッグシップのα1の価格は¥935,000。
とんでもない価格ですよね。
サードパーティ製が多く、安価な選択肢が多いというメリット
ボディはどうしようもないですが、レンズはサードパーティ製という救いがあります。
特にEマウントは、タムロンやシグマ、フォクトレンダーなど多くの互換レンズが揃っているので選択肢が多くていいですね。
同じスペックのレンズでも、純正よりはるかに安い価格で買うことができるのは心強い。
ただし、基本的には純正の方がAFが高速であったりと高性能な場合が多いです。
35mmF1.4の場合(SIGMAと比較)
SONY | SEL35F14GM | ¥228,800 |
SIGMA | 35mm F1.4 DG DN | Art | ¥115,500 |
例えば、私が愛用している35mmF1.4GMを参考に比べてみましょう。
SIGMAの同じスペックのレンズとの価格差はほぼ2倍。
差額でレンズが買えてしまいます。
豆知識
キヤノンのRFマウントはサードパーティを基本的に許可していません。
純正を強制されるので、コスト面では注意が必要ですね。
手振れ補正とダストリダクションはマイクロフォーサーズが最強なの?
答えはYESです。
この2つはマイクロフォーサーズが明らかに優秀。
というより、OM-SYSTEM(OLYMPUS)が優秀です。
特に、センサーに付いた埃を超音波で吹き飛ばす『ダストリダクション』は化け物級の安心感がありました。
使っていてセンサーに埃が付いたことは一度もありませんでした。
一方で、フルサイズはかなり早い段階で埃が付いてメンテナンスに出しています。
センサーのメンテナンスの記事はこちら
手振れ補正もフルサイズはかなりシビアだと感じました。
過酷な環境でもガンガン使えるのはマイクロフォーサーズ(OM-SYSTEM)でしょう。
『マイクロフォーサーズからフルサイズに変えて良かったことと悪かったこと』まとめ
ココがポイント
- MFTは小型軽量。でも邪魔であることに変わりはない
- ボケ感はフルサイズが一枚上手
- MFTはパンフォーカスが得意
- フルサイズはお金がかかる
- 手振れ補正やダストリダクションはMFTが最強
結果的に後悔は全くしておりません。
システムが大きく重くなりましたが、マイクロフォーサーズでは成しえないボケ具合や高感度は非常に気に入っております。
では、完全上位互換かと聞かれると決してそんなことはありません。
マイクロフォーサーズは機動性や価格の面で非常に優秀なシステムと言えるでしょう。
撮影スタイルに合った選び方をしていきたいですね。
乗り換えを考えている方や、どちらを買うか迷っている方のお役に立てれば嬉しいです。