SONYからVLOGCAMのフラッグシップとなるカメラが発売しましたね。
その名も『ZV-E1』
ZV-E10の上位機種となり、α7SⅢの弟のような立ち位置のモデルです。
そこで今回は、私が使っているα7SⅢとどう違うのか。
徹底的に比較していきましょう。
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ZV-E1ってどんなカメラ?簡単におさらい
SONY『VLOGCAM ZV-E1』は2023年4月21日発売予定のフルサイズVlogカメラ。
世界最小・最軽量のレンズ交換式VLOGCAMとなっており、取り回しやすく軽快な撮影が可能です。
さらに、AI技術を駆使した機能が搭載されており、誰でも簡単にハイレベルな映像表現が可能となっています。
センサーとエンジンは、動画に強いα7SⅢ譲り
センサーは裏面照射型の有効約1210万画素のCMOSセンサーです。
そして画像処理エンジンはBIONZ XR
完全にα7SⅢと同じ組み合わせですね。
ZV-E1もα7SⅢと同じく高感度に強く4K撮影に特化しております。
AIを搭載したミニα7SⅢとも言えそうなモデルですね。
α7SⅢとZV-E1はどう違うの?徹底比較
比べる項目がかなり多いです。
まずは外観から比較していきましょう。
まとめると
- かなり小型・軽量化された
- AI機能が追加された
- 基本的な動画性能はほぼ同じ
- ファインダーやHDMIが省かれた
- SDカードスロットが1つになった
- CFexpress typeA非対応
外観を比較していきます
主な仕様を比較していきます
動画機ということもあり比較する項目はかなり多いです。
徹底的に見ていきましょう。
ZV-E1 | α7SⅢ | |
カメラ有効画素数 | 静止画時: 最大約1210万画素、動画時: 最大約1010万画素 | 約1210万画素 |
静止画記録 | ||
クリエイティブルック | ● | ● |
PPLUT | ● | - |
動画記録 撮影モード (XAVC HS 4K) | ||
3840 x 2160 (4:2:0, 10bit) | 120p(※)、60p、24p | 120p、60p、24p |
3840 x 2160 (4:2:2, 10bit) | 120p(※)、60p、24p | 120p、60p、24p |
動画記録 撮影モード(XAVC S 4K) | ||
3840 x 2160 (4:2:0, 8bit) | 120p(※)、60p、30p | 120p、60p、30p、24p |
3840 x 2160 (4:2:2, 10bit) | 120p(※)、60p、30p | 120p、60p、30p、24p |
動画記録 撮影モード (XAVC S HD) | ||
1920 x 1080 (4:2:0, 8bit) | 240fps(※)、120p、60p、30p、24p | 120p、60p、30p、24p |
1920 x 1080 (4:2:2, 10bit) | 60p、30p、24p | 60p、30p、24p |
動画記録 撮影モード (XAVC S-I 4K) | ||
3840 x 2160 (4:2:2, 10bit) | 60p、30p、24p | 60p、30p、24p |
動画記録 撮影モード (XAVC S-I HD) | ||
1920 x 1080 (4:2:2, 10bit) | 60p、30p、24p | 60p、30p、24p |
動画機能 | ||
スロー & クイックモーション撮影 (S&Q) | ● | ● |
タイムラプス | ● | - |
プロキシー記録 | ● | ● |
ダイナミックアクティブモード | ● | - |
オートフレーミング | ● | - |
フレーミング補正 | ● | - |
リアルタイムトラッキング | ● | - |
商品レビュー用設定 | ● | - |
シネマティックVlog設定 | ● | - |
リアルタイム認識AF | ● | - |
RAW出力 | - | ● (HDMI) |
記録部 | ||
スロット1 | SD (UHS-I/II対応)カード用スロット | SD (UHS-I/II対応)、CFexpress Type Aカード |
スロット2 | - | SD (UHS-I/II対応)、CFexpress Type Aカード |
フォーカス | ||
検出輝度範囲 | EV-6 - EV20 | EV-6 - EV20 |
ファインダー | ||
ファインダー | - | ● |
液晶モニター | - | |
ドット数 | 1,036,800 | 1,440,000 |
シャッター | ||
シャッター方式 | 電子シャッター | メカシャッター / 電子シャッター |
シャッター速度範囲 | 静止画撮影時: 1/8000-30 秒、動画撮影時: 1/8000-1 秒 | 静止画撮影時: 1/8000-30秒、動画撮影時: 1/8000-1/4 |
手ブレ補正機能 | ||
補正効果 | 5.0段 | 5.5段 |
インターフェース | ||
HD出力 | HDMIマイクロ端子 | HDMI端子 |
レンズ補正 | ||
レンズ補正 | 周辺光量、倍率色収差、歪曲収差、ブリージング (動画) | 周辺光量、倍率色収差、歪曲収差 |
サイズ・重量 | ||
サイズ | 約121.0 x 71.9 x 54.3 mm | 約128.9 x 96.9 x 69.7mm |
重量 | 約483 g | 約699g |
価格 | 328,900 円(税込) | 504,900 円(税込) |
(※)カメラのアップグレードサイトからライセンスキーを入手いただき(無料)カメラ機能をアップグレードする必要があります
こうやって見てみると「色々な機能を省いた代わりにAI機能を搭載したカメラ」と見ることができますね。
ですがその「色々な機能」は結構多く、以下のような部分が省かれているのは好みが分かれそうです。
ファインダーもメカシャッターも無いので、スチルも撮る人には向かなそうです。
省かれた主な機能
- SDカードのダブルスロット
- CFexpressへの対応
- ファインダー
- メカシャッター
- HDMI
ZV-E1のメリット
では、ZV-E1のメリットを紹介していきましょう。
AIを駆使することで知識が無い人でもいい感じに撮れる
動画機としては初搭載となるAIを駆使した以下の撮影機能が搭載されました。
フレーミング補正はクロップされるデメリットがありますが、簡単に被写体をフレーミングすることができます。
ジンバルを使ったカメラワークを覚えなくても良い感じに撮影できるのは便利ですね。
ただし、クロップされることを考慮する必要があるので広角レンズが必要になってきそうです。
- オートフレーミング
- フレーミング補正
- リアルタイムトラッキング
Vlogを本気で撮りたい人にとって必要な要素が詰まっている
小型軽量で豊富な動画形式、さらにはAI搭載なので、Vlog撮影に死角はほとんどないと言ってもいいでしょう。
シネマティックVlog設定を使用することで、直感的にシネマルックな映像表現も可能です。
高品質なVlogを撮りたい人にとっては最適な選択肢の一つでしょう。
α7SⅢ未搭載のブリージング補正が搭載されているのも地味ですが嬉しいポイント
小型軽量で軽快な撮影ができる
光学式ボディ内手ブレ補正機構搭載のフルサイズ一眼の中では世界最小・最軽量です。
Vlogは片手でカメラを持って動き回ることが多いので、小型軽量のアドバンテージは大きいですね。
できるだけ小さいカメラが良いという方にはおすすめ。
ZV-E1のデメリット
では次は、ZV-E1のデメリットを紹介していきましょう。
スチルも撮りたい人には向かない
はっきり言ってスチルも満足に撮りたい人にはあまりおすすめできません。
ファインダーも無く、メカシャッターも非搭載です。
モニターのドット数も1,036,800と多くはありません。
スチルもがっつり撮りたいという人はα7SⅢやα7Ⅳの方がおすすめです。
ただし、AI系の機能とトレードオフになります。
本気の撮影をしたい人にとっては足りない部分も多い
ZV-E1はVlogに特化したカメラなので、プロユースには向いていないと感じます。
HDMIのRAW出力もできず、SDカードの制約で最高ビットレートでの記録もできません。
さらには長時間撮影の際のオーバーヒートも確認されています。
そもそも撮影技術を身につけている人にとってAI機能は特に必要ではない場合も多いでしょう。
本気の映像制作をしたい方はFX30やFX3、α7SⅢがおすすめです。
ZV-E1ではできないこと
- 堅牢なHDMI端子での接続
- HDMIでのRAW出力
- CFexpress typeAによる高ビットレート記録
オーバーヒートの可能性が示唆されているのが気になる
ボディが小さい分、廃熱面で不利になってくるでしょう。
実際に検証でもオーバーヒートが確認されているようなので動画機としてはここが心配ですね。
オーバーヒートは一度なると中々復帰してくれないので気になるポイントではあります。
価格が高い
価格はボディのみで約33万円です。
ZV-E1は動画機能が十分に詰まった魅力的なカメラではあります。
ですが、Vlog特化型のカメラとしてはかなり高めな設定だな、といった印象ですね。
この価格なら最強万能機のα7Ⅳがの方が魅力的に見えてきてしまいます。
ZV-E1はどんな人におすすめできるカメラ?
では最後に、どんな人におすすめなのかをご紹介していきましょう。
高品質なVlogを撮りたい人
なんといってもVlogにはもってこいでしょう。
α7SⅢの優れたセンサー能力を活かしながら、いらない物を省いて小型軽量化されています。
さらにはAI機能も搭載されたことで、動画のことをあまり知らない人でもいい感じに撮ることができるカメラとなっています。
ZV-10やα7Cからのステップアップや、これからがっつりVlogを撮るぞ!という人には最適なカメラだと思います。
手軽に良い感じの動画を撮りたい人
Vlog以外の映像制作にもZV-E1は向いているでしょう。
AIを駆使することで誰でも簡単に良い感じにフレーミングやフォーカスすることができます。
あまり動画のことは詳しくないけど始めたい、という方におすすめです。
ただし、AI機能を使用する際は大きくクロップされる点に注意してくださいね。
『ZV-E1ってどんな人におすすめα7SⅢと徹底比較!』まとめ
最近はZVシリーズがかなり充実してきましたね。
ZV-E1はZV-E10からの順当なステップアップモデルとしてふさわしい性能だと言えるでしょう。
Vlogを本気で撮りたい人にとっては最適な選択肢だと思います。
価格だけがどうしても気になってしまいますが、最近の高価格化の流れには逆らえないようです。
恐らくα7SⅣが控えているのだと思いますが、初動は60万円くらいしそうですね・・